edge 3style〜にっくき4-mover攻略〜
この記事はSpeedcubing Advent Calender 2022 19日目の記事になります。
18日目の記事は owapoteさんの僕が考えた「噓PLL読み」など - owapoteの日記
20日目の記事は さ_もんさんの「4BLD公式sub4する(宣言)」
です。
はじめに
知ってるか?4-moverは3つに分けられる。
[U2,M] [R2,E/S] その他諸々 [L2,E/S]
この3つだ。
すいません、茶番から入りました。
初めてのblogかきます、shu3(shu3@3BLDer (@shu3_shu3) / Twitter)と申します。
北海道民でして、なかなかリアルでキューバーのみなさんと絡めないのが残念です。
メイン種目は3BLD、サブ種目はありません(直球)
3x3x3は練習してなさすぎてsub20してないレベル。
解法はM2/OP→M2/orozco→3style/orozco(→full 3style移行中)と変遷した一般的なBLDerです。
コーナーのorozcoは自分にすごくあってたのですが、edgeはどうも考えているうちに音記憶が揮発してしまうのでそれならと思いまっすぐ3styleに移行しました。
今回の記事はedge 3styleにおける鬼門(ですよね?)、4-moverのスライスムーブの順番問題です。
J-permの動画も非常に参考になります。ぜひご覧ください。しかし、それだけでは自分には結構きびしかったので習得していく中で自分が理解したことを紹介させてもらいます。
4-moverは4手系とも呼ばれますが、[M', U2]このようなU2/R2/L2およびスライスムーブの組み合わせのことで、4手なので4-moverと呼ばれてます。
この記事では便宜上U2/R2/L2をインターチェンジと呼ばせてもらいます。
4-moverが適応できる条件は、U/R/Lのインターチェンジ面に2つのステッカーが対面に存在し、インターチェンジ面と逆の面(U<->D, R<->L)かつ同一スライスムーブ上にステッカーある状況です。
例えば、UF-DF-UBは、UFとUBがU面に対面で存在し、インターチェンジ面と逆(ここではU面の逆つまりD面のDF、D側面(FD)ではだめです。)かつスライスムーブ(M)上にDFがあります。=4-mover適応!
あるいはFU-FD-BUもFUとFBがU側面に対面で存在し、インターチェンジ面と逆(ここではU側面の逆つまりD側面のFD、D面(DF)ではだめです。)かつスライスムーブ(M)上にFDがあります。=4-mover適応!
なお、この記事を読まれている方には釈迦に説法とおもいますが、今年のアドカレのたいへいさんの記事(3style習得法 - TAIHEIcuber’s blog)でコミュテーターの読み方は確認お願いします。
edge 3sytleは440手順と膨大なのですが、4割近くが4-moverで占められています。
慣れるまでは手順の前後で混乱し、苦しみます(苦しみました)。
これから3つに分けて解説していこうと思います。
①U2インターチェンジ
pure commutatorは以下です。
UF DF UB [M', U2]
UF UB DF [U2, M']
なお、M2法におけるUF手順U2 M' U2 M' は上記にM2を足したものでしたね。
UF UB DF [U2, M'] + M2 = U2 M' U2 M M2 = U2 M' U2 M'
私はこの時点でM'が先か、U2が先か全然理解できず苦しんでました。
苦しんだすえ文字列と手順の一手目を関連づけることにして、どうにか乗り切り始めてました。自分は一般的なナンバリングではないのであくまで参考ですが、UF DF UBは自分には「りす」になるので、りすが木に登る=M'が先のような感じです。
この概念はもともとコーナーには結構適応してまして、これは望月さんのtweetからアイデアを頂戴したものです。(最近、たいへいさんも導入していることを知りました。)
手順とレターペアの関連付けはやってます?
— 望月シンジ (@sin2179) 2020年7月18日
全部は難しいけど
例えば
同サイクルの順手順、逆手順の区別で
Uインターチェンジが先→上から目線のキャラ
DからUのインサートが先→スライディングするキャラ
みたいな自分なりの関連付け出来てる手順は脳ミソ使わずに瞬時に出てくるからお勧めです
しかし、エッジはレターペア使わないのですべての文字列にイメージが伴うわけではなく、(私には)全てに適応は厳しいです。よって4-moverの理解が要求されました。
まずは先述のjpermの動画のテクニックを学びました。インターチェンジ面の2つと残ったひとつで矢印を引いて向きが合っているならスライスムーブ、そうでないならインターチェンジするというものです。
エッジ3styleの4手系のサイクルがどっち周りか判断するのに困ってたけど、J Permの動画にめちゃくちゃわかりやすい判断方法あったhttps://t.co/sXTZj9ffa0 pic.twitter.com/tPKvUzlNmM
— うえしゅう (@uesyuu_cube) 2022年6月12日
つまり、上記の例でいいますと今回はU2インターチェンジなのでU面で矢印をひきます。DFにむかっていればスライスムーブ先、逆ならU2先です。
具体的に見てみましょう。基準面はU黄色, F赤とさせてください。
・UF DF UB [M', U2]
UB-UFの矢印が引けます。DFに向かってます。M'先!
・UF UB DF [U2, M']
UF-UBの矢印が引けます。DFと逆方向です。U2先!
これがjpermの説明ですね。私にはこれでは不十分で実際の手順でどちらが先になるかぐちゃぐちゃになることも多かったです。
特にUF-DF-UBのように一文字目がインターチェンジ面に乗らないパターンは矢印をイメージが大変でした。
そこでもう一つの矢印の書き方を考えました。
インターチェンジ面から3つ目のパーツに向かって矢印がひけたらスライスムーブが先
(=3つ目のパーツからインターチェンジ面に向かって矢印がひけたらスライスムーブが後)
…具体的に見てみましょう。
・UF DF UB [M', U2]
UF-DFの矢印が引けます。U2インターチェンジ面からDF(3つ目のパーツ)に向かってます。M'が先!= [M', U2]
・UF UB DF [U2, M']
DF-UFに矢印が引けます。DF(3つ目のパーツ)からU2インターチェンジ面に向かってます。U2が先!= [U2, M']
当たり前ですが3styleなので3点交換つまり3つの矢印が引けます。インターチェンジ面(黒矢印)の1本だけで考えるのでなく、インターチェンジ面から出る矢印(白矢印)も導入したことで手順の前後がかなりわかりやすくなったと感じてます。
特に一文字目がDFの時の矢印は有用と考えてます。
[F2,M]はだめなのか?
なお、見る向きを変えると違う4-moverでも解けます。
・UF DF UB はインターチェンジ面をU面としましたが、F面でも同じように考えられますよね。その場合の手順はどうなるでしょうか。F2とMになりますが順番は?
考えてみましょう。先ほどと矢印の意味が逆になります。
黒矢印(UF-DF)はインターチェンジ面ですが、3つ目のパーツ(UB)と逆方向です。
同様に白矢印はUB(3つ目のパーツ)からインターチェンジ面に向かってます。
どちらでも結論は一緒ですね。F2が先になります。つまり[F2, M]です(ドンッ)
ただし実際には非常にまわしにくいのでUがインターチェンジ面になってます。
同様にF, B, Dはインターチェンジ面になりません。
(Dはなることもありますが、考えないことにします。)
いくつか例題で考えてみましょう。
・UF RU UB
U M でUBをDFにセットアップします。次にUなのかU'なのかが問題となります。
繰り返しになりますが基準面はU黄色, F赤です。
矢印を考えましょう。私は矢印をバッファから1文字目(以後B→1とします。UF-RU)、1文字目から2文字目(1→2とします。RU-UB)のどちらかが先程のルールに従うことで判断してます。
UF-UBが"インターチェンジ面から降りる"で使えそうです。
つまりここからU'をいれて
[M',U2](M'が先!)
最終的な手順は UF RU UB [U M U': [M', U2]]ですね。U2とセットアップ戻し(U M' U')の最初のUがキャンセルされることに注意してください。
・UF FR DF
U Rで4-moverの形にセットアップ。矢印を考えます。
これはU面矢印またはインターチェンジ面から降りる矢印どちらの矢印考えてもいいですね。
(私は降りる矢印が好きです。)
Uして矢印を整えてから [M',U2](M'が先!)
つまり、 [U R U: [M',U2]]になります。
ちなみにegde 3style覚えて1ヶ月の時点での自分は、4-moverセットアップ中にどっち回しか考えてやってます。
・UF LU RU
さっきまでとはちょっと違いますがこのパターンも多いです。U面とD面にステッカーが揃ってましたが今回はU側面(FU/BU)、D側面(FD)にステッカーを揃えて4-moverしてます。
MでUFをFDに入れて4-moverセットアップ。
U'ではインターチェンジに"上がる"矢印になってしまうので不適です。
Uでインターチェンジ面の矢印が整うので、Uして[M',U2](M'が先!)
つまりUF LU RU は [M U: [M', U2]]になります。
②R2インターチェンジ
このR2インターチェンジが一番多いです。
pure commutatorは[R2,S/E]ですね。
UFは含まないので、全てセットアップが必要になります。
ここで個人的なポイントですが、[R2,S]のパターンは[S',U2]と考えることもできます。
※U面インターチェンジで考えると緑面の矢印はインターチェンジ面から降りる矢印=スライスムーブ先!
ただし、これは考える必要がありません。
この[S',U2]の手順は、[R2,S]に比べると、回しにくいです。
だから、[S',U2]の手順は必要なかったんですね。
つまり、4-moverは[U2,M] [R2,E/S] [L2,E/S]の3つに分けられる(伏線回収)。
>>セットアップの考え方
ちょっとここでセットアップの考え方についてまとめてみます。
例外も含むためoptimalでない場合もあります。
①DFを含むパターン
もう一文字が
・Uを含まないR側面(FR/DR/BR)
UしてUFをULに置いてからR回転でURに持ってきてU/U'して矢印を合わせます。
→[U2,M]型 (DRは4-moverよりいい回し方があります。)
ex) UF DF BR [U R' U': [M', U2]]
・Uを含まないL側面(FL/DL/BL)
U'してUFをURに置いてからL回転でULに持ってきてU/U'して矢印を合わせます。
→[U2,M]型 (DLは4-moverよりいい回し方があります。)
ex)UF DF BL [U' L U: [M', U2]]
・R面(RU/RF/RD/RB)およびL側面(LU/LF/LD/LB)
R/L回転でRB/LBに持っていき、F/F'で矢印向きを合わせます。
→[R2, E] or [L2, E]型
ex)UF DF RU [R F: [E, R2]]
UF DF LD [L F': [E', L2]]
②RUおよび、L面(LU/LF/LD/LB)
MでUFをFDに、L回転でL面ステッカーをLUにもっていきU/U'で矢印合わせます。
→[U2,M]型
ex)UF RU LU [M U': [M', U2]]
UF RU LB [M L U': [M', U2]] =[Lw U': [M', U2]]
②' R面(RU/RF/RD/RB)および、LU
MでUFをFDに、R回転でR面ステッカーをRUにもっていきU/U'で矢印合わせます。
→[U2,M]型
ex)UF RF LU [R M U': [M', U2]]
UF LU RD [M R2 U : [M', U2]](ただし、[R' F R: [S, R2]]のほうが良いです。)
③Uを含まないR側面(FR/DR/BR)およびUを含まないL側面(FL/DL/BL)のそれぞれ1文字
R/L回転でR/L側面ステッカーをDR/DLに持っていきU'/UでUFをUR/ULにセットアップ
→DL以外は[R2, E]型、DL含みは[L2, E]型
(DR→DL、DL→DRは例外)
ex)UF FR FL [R' U' R: [E, R2]]
④Uを含まないR面(RF/RD/RB)およびLD
M' U'でUFをLUに持っていき、L回転で矢印合わせます。
→[L2, E]型にセットアップ
ex)UF RF LD [M' U' L: [E', L2]]
④'RDおよびUを含まないL側面(LF/LD/LB)
M' UでUFをRUに持っていき、R回転で矢印合わせます。
→[R2, E]型にセットアップ
ex)UF RD LF [M' U R: [E, R2]]
⑤FDを含むもの
・もう一文字がFR/DR
UしてL B'でL側面で対面になるようそろえてL回転で矢印合わせます。
→[L2, E/S]型
ex)UF FR BD [U L B': [E', L2]]
・もう一文字がFL/DL
U'してR' B' でR側面で対面になるようそろえてR回転で矢印合わせます。
→[R2,E/S]型
ex)UF DL BD [U' R' B R': [S', R2]]
これにEをいれて上記のいずれかにセットアップするもの(UF LF DR [E' U' R: [E', R2]]など、E'でUF BL DR(上記③)にセットアップ)を含めると、多分これである程度カバーできてると思います。
いくつか例題いきましょう。
・UF DR FL
U'でセットアップ。あとはRなのか、R'なのかを考えます。
先程と異なりR面がインターチェンジ面になりますので、R面で向きを整えるにはRすればよいですね。
私はUF-DRの矢印を3つ目のステッカー(FL)に合わせる意識でやってます。
Rをして矢印整えて、[E,R2](矢印整ってるのでスライスムーブが先!)
つまり、 UF DR FL [U' R: [E, R2]]になります。
ちなみにR'しても4-moverにセットアップできてますがダメなのでしょうか?
考えてみます。
上記はU R'した図です。これは、矢印の向きが"整ってない"ので、R2が先です。
つまり、[R2,E]になるのですが、セットアップと合わせて考えますと
[U R':[R2,E]]。一見良さそうですが、バラしてみましょう。
U R' R2 E R2 E' R U' R' R2はRになりますので、まとめますと U R E R2 E' R U'。
先程の[U' R: [E, R2]]をバラしますと…U' R E R2 E' R2 R' U = U R E R2 E' R U'。
キャンセル込みでは完全に一致します。やることは一緒ですが、Rで考えた方が楽ですね。
・ UF FL BD
U' R' Bでセットアップ(Bは右手薬指でpush)。
インターチェンジ面"から"の矢印が整ってますので、[E, R2](スライスムーブ先!)
つまり、 UF FL BD [U' R' B: [E, R2]]
・ UF LF RD
エッジの向きがインターチェンジ面の側面のパターンです。
M' Uでセットアップ。
R'してインターチェンジ面"から"の矢印を整えて、[E, R2]
つまり、 UF LF RD [M' U R': [E, R2]]
③L2インターチェンジ
これは一番少ないケースです。
DL/LD絡みの4-moverで主に用いられます。
実はR2とL2インターチェンジはどちらもセットアップの手数は変わらないパターンは多々あるのですが(UF-FR-FLなど)R2の方が回しやすいのでR2にセットアップすることが多いです。
・UF FR FL
実際見てみましょう。
R2にセットアップはR' U'してR'で整えて[E,R2]
L2にセットアップはL UしてL'で整えて[E', L2]になるのですが
[R' U' R': [E, R2]]と[L U L': [E', L2]] では前者の方が回しやすいと感じる人が多いと思います。
実際https://bldbase.net/index.htmlで調べても後者の手順採用者はいません。
・UF DL FR
L2インターチェンジなのでUしてセットアップします。
L面の矢印に着目してL'をすると整います。そして[E', L2]
つまり、UF DL FR [U L': [E', L2]]
・UF FL BL
これは2パターンで回せます。
U'でセットアップ
L面の矢印に着目してLして矢印を整えて[S', L2]
[U' L: [S', L2]]
またはLをRwと考えて
[U' Rw: [E, L2]]と捉えて、L2をRw2で回すことでE L2 E' L2ではなくE Rw2 E Rw2とすることができます。
2回ともEになるのを注意してください。
つまり、 UF FL BL:U' Rw E Rw2 E Rw U
まとめ
長文記事を最後まで見ていただきありがとうございます。
3style習得は大変ですよね。でもこの様に考えて作ることができる様になると忘れにくいし、復習もしやすいと思います。
最初は頭おかしくなりますが、練習していくとどのステッカーの組み合わせでどちらの矢印を基準に考えたらいいかスッとでてきて手が止まらず矢印を合わせることができる様になります。
この記事を書こうと思ったのは、自分の習得中に"インターチェンジ面から3つ目のパーツに向かって矢印がひけたらスライスムーブが先"の考えが浮かんで、探した限りではこの考え方が見つからなかったため、習得者の役に立つのではと考えたからです。
せっかくなので4-mover全体の攻略記事を作りました。
この記事がみなさまのedge 3style習得に役に立ってくれると幸いです。
enjoy!